2011年 2月14日「サラエボという街」

2011-02-14

今タイトルを書いて気付いたのだが、どうやらこの日はバレンタインデーだったらしい。
全く気が付かなかった…

昨晩(13日)もたっぷりと食べ、着々と体重が増えていくのを感じながら、14日朝から打
ち合わせと仕込み作業を進めていく。

メイン卓は M7CL/48
メインスピーカーは中規模ラインアレイ(メーカー判らず)

卓のプログラミングをしている間に、現地のスタッフにステージを仕込んでもらう。
作業の隙間でお茶に誘われたので(とにかくヨーロッパの人達はティーブレイクが基本だ…と思う)ちょいと休憩のつもりが1時間弱おしゃべりしてしまった。と言ってもほとんど相手の話を聞くばっかりだが…
サラエボには裕福な人達もいるが、決してそうではない人も多く、経済的に大変なコトも多いらしい。普段の生活の中でも納得のいかないコトも多々ある様で「マジちょっと聞いてくれよ〜」みたいな話で延々と盛り上がったのだ。
ここには書けない様な話も聞いて驚いたが、私の英語理解力は幼児レベルなので、ホントに驚く様な内容だったかどうかは何とも言えなかったりする。

そんなこんなで長い休憩になってしまい作業時間は減ったが、スタッフとはすっかり仲良しになり、仕込みも順調。本日の予定作業を終えたのである。
その後現地制作の方が、空いた時間でサラエボの街を案内してくれる、と言うのでみんなで街へ繰り出すコトにした。

少し話は逸れるが、中学、高校時代で一番キライな勉強は歴史だった。
ちょーしこいた若者にありがちな「過去のコトなんて知ったこっちゃねー」的なノリだったのである。
しかし、仕事で和楽器に関わる事が多くなったここ数年、自分の無知っぷりがあまりにもひどく、勉強しなかった事を猛烈に後悔している。楽器や音楽の歴史を紐解くと、大抵その土地の文化と密接に関わっていて、ルーツを辿れば辿るほど面白い。それらを理解して臨まないと良い結果が生まれないコトばっかりなのだ。
まぁ、そんな理由もあるので、その土地の文化を知っておくのは最重要課題なのである。

で、早速街に繰り出してガイドの方の話を聞きながら練り歩く。
新市街は活気溢れるオシャレな感じ。

street1church

ブランドショップなんかを物色してたら
こんなショウウインドウを発見。

shop

うーん…寒そう。
ひょっとしてこれ、最先端なのかしら…?
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(余談だが、この写真をアップロードする作業中、何を間違えたかデスクトップの背景に指定してしまい、しばらくの間、ノートPCのデスクトップはかなりアバンギャルドだった)
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街並みは全体的にキレイで、人々も溢れかえっている。
過去の悲しい歴史なんて微塵も感じられないが
教えられて気付くと所々に過去の爪痕は残されている。

sarajevo_rose

旧市街は異国情緒溢れる素敵な雰囲気。

street2street3

そして、第一次世界大戦の発端となった歴史的な事件の場所に立ってみた。

latin_bridge

どうにも複雑な気持ちだ。

話を聞いていると、陸続きの国境線に区切られた国がひしめき合う大陸は、海に囲まれた日本人には想像し難い壮絶な戦いが続けられた過去があって、今もなお人々の心の傷は癒えていないのだ、と痛感した。
それらを全て抱えたまま、みんな頑張って生活しているのだ。
明日の公演は、そんな人達が日本に興味を持って集まって来てくれる。
全ての人達に笑顔が溢れる様なパフォーマンスを、和力が思い切って出来る様に頑張ろう。
と、気を引き締めながら、街燈がキレイな帰り道を歩いてホテルへと帰った。

street4

つづく。